「君も調理時間を大幅に過ぎたやつしか食べられないんだろう?」
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まず、読者の方々に謝っておくと、私は『東京喰種』を読んだことが無い。そのくせ、こんなタイトルにしているのを、どうか許していただきたい。この記事はつまるところ、自分のダメな部分に着目した記事なのだけれど、それを直視すると壊れてしまうので、こうしてパロディに走ることでいくらか「えぐみ」みたいなものを薄めているのである。よって『東京喰種』の話は、ほとんど出てこない。大変申し訳ない。
ここから本題。どうやら、『東京喰種』に出てくる「喰種」と呼ばれる方々は、人の肉しか食べられないらしい。その方々はもともと人間だったのだが、喰種となる前は美味しく食べられていたはずの食品が、喰種になった途端に不味く感じ始め、まったく食べられなくなってしまったのである。
それで、私はタイトルの通り「調理時間を大幅に過ぎた即席食品喰種」なのである。これはつまり、「調理時間を大幅に過ぎたインスタント食品しか食べられない」ということではあるのだが、先の喰種とは話が違う。
何が違うのか。それは、調理時間を大幅に過ぎていないインスタント食品を不味く感じるわけではないということだ。だって、人間なんだもの。当たり前じゃないか。作った人たちが「お湯を入れて◯分待ってくださいね」と言っているのだから、その時間通りに作ったものは、最高に美味しいに決まっている。少なくとも、その時間で調理してもらえることを期待して生産しているのだから。
ではなぜ私は、調理時間を大幅に過ぎたインスタント食品しか食べられないのか。それは……。
時間を測るのを、忘れているからである。
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待って。帰らないで。もう少しだけ話を聞いてくれないか。
私だってわかっている。どうして時間を測るのを忘れるんだよ。調理時間が大事なのに。でも忘れてしまう。そしてお湯を注いでしばらくしたあとに思い出すんだ。時間測ってないって。
だいたい、お湯を注いだらすぐにスマホのタイマーを起動すればよいだけなのである。だが、私は高確率で「いま〇〇時〇〇分だから、〇〇分に完成するな」と考えて終わりにしてしまう。その計算結果を覚えていれば大丈夫なのだが、私は調理時間を大幅に過ぎた即席食品喰種なので、覚えていない。
だから、もう少し言葉をちゃんと選ぶとすれば、調理時間を大幅に過ぎたものしか食べられないのではなくて、調理時間を大幅に過ぎたものばかりを食べる羽目になっていると言うほうが正しいのである。
ほんと、こういうのってどうすれば直るんですか? 誰か教えてください。というか、誰か時間を測ってください。お願いします。
あと、これは最近になって生じた問題なのですが、ティーバッグでも同じことになります。ずっと浸してしまって、鮮やかな紅色を通り越して真っ黒の紅茶が出来てしまうのです。とほほ。
■終わり